AgileSEA記録 The Product Owner and Scrum Master Brain Transplant! MWUHAHAHAHA!!! - Alex Sloley

Agile SEA に参加して、パトロンチケットの特典で録画を見られたので記録していく。

Thank you all speakers and organizers to have such great event!

The Product Owner and Scrum Master Brain Transplant! MWUHAHAHAHA!!! - Alex Sloley

2日目最初のセッションはAlex Sloley氏による講演。

典型的PO

典型的なPOはプロダクトのためにチームの血と汗と涙を絞りとることに関心がある。 そんなPOの脳とチームのコーチであるSMの脳を入れ替えるとどうなるか実験してみよう。

がっはっは。

SMの脳を移植されたPO

コーチ

SMはチームのコーチである。そんなSMの脳をPOに移植すると、POがコーチになるわけだが、POは一体何をコーチするのか? POの役割を考えればコーチの対象はバックログになる。スクラムマスターがチームだけでなくステークホルダーをコーチするように、SMの脳を移植されたPOは、チームやステークホルダーバックログをコーチするようにコーチングするかもしれない。 コーチングの結果プロダクトバックログはより良いものになっていく。

育成

SMは誰かが落ち込んだり、失敗したときに励ましたり、成長を促したりする。 SMの脳を移植されたPOは、盆栽を剪定するようにバックログを愛でて、健康なバックログが維持されるように手入れする。そしてその成長を促す。毎日出社して鼻歌を歌いながらバックログを眺め、手入れをする。

守る

SMがチームを外圧から守るように、SMの脳を移植されたPOは、プロダクトバックログを守る。 バックログが高品質になるように(高品質の定義はチームによりけり)、次のスプリントに向けた仕事の準備ができていて、バックログがメンテされていなくて次の仕事に着手できないということがないようにする。 そしてバックログに割り込み仕事が入らないように守る。

障害を取り除く

SMの脳を移植されたPOは、プロダクトバックログから他のチームとの依存という障害を取り除く。 そしてときにはステークホルダーに対して、「チーム構成をこう変えると、この依存関係はなくなる」といった提案をする。そして日常的にステークホルダーバックログをコーチする。

実験する

SMの脳を移植されたPOは、プロダクトバックログで実験する。定常業務やバグ修正とのバランスをとりつつ、失敗を恐れずに新しいやり方や新しい機能に挑戦する。

コンフリクトを解消する

SMの脳を移植されたPOは、バックログの中でコンフリクトを解消する。 ここでいうコンフリクトは例えば優先順位を決めるということ。 チームとステークホルダーの声をよく聞いて、プロダクトバックログの中で検査と適応を繰り返す。 たとえこれまで育ててきたプロダクトバックログを全て捨てることになろうとも、それを歓迎する。

ハッピー

ハッピーなPOなんてみたことがないかもしれないけどいる仮定してみよう。 SMの脳を移植されたPOは、プロダクトバックログを幸せにする。幸せなプロダクトバックログはよく手入れされているし、チームがバックログに誇りを持っているし、 ステークホルダーに見せたときに彼らが歓喜するようなバックログになっている。(盆栽のようにね。)


まだ実験は終わっていない。計算高く、分析やで、冷徹なPOから取り出した脳をSMに移植してみよう。

POの脳を移植されたSM

磨きをかける(refining)

POはプロダクトバックログをリファインメントする。 POの脳を移植されたSMは、チームを、人を、プロセスをリファインメントする。 「レトロなんてやめやめ。この1時間でチームがより効率的に働くようにリファインメントします」なんていったりするかもしれない。

ストーリーを改善する

POの脳を移植されたSMは、チームメンバー一人ひとり、チーム全体、そしてプロセスを改善するストーリーを作るようになる。

ストーリーの価値と受け入れ基準を作る

POの脳を移植されたSMは、人、チーム、プロセスの受け入れ基準を作り、それぞれがより良くなるようなストーリを描く。もちろんストーリーが生み出す価値にも注目する。アジャイルでやってるんだから、高い価値のものを早く届けなくちゃでしょ? 普段POがやっているように価値を見積もるのは難しいかもしれないから、TシャツサイズやMoSCoW法を使うかもしれない。

バックログを改善する

POの脳を移植されたSMは、バックログを公開し、もしかしたら個人の成長計画の部分は公開しないかもしれないけど、価値の順番に並び替える。

Defenition of Done

POの脳を移植されたSMは、人、チーム、プロセスを評価してアジャイルの専門家としてどこに手を入れるか目を光らせる。 DoDの基準を上回っていると判断して、「よしよし。十分な成長である」とか思ったりする。 そしてPOがVisionを持っているように、「このチームはアジャイルになった」なんてVisionを持ったりする。

レビュー

DoD作って、AC作って、改善のストーリを書いたんだから当然レビューをする。 POの脳を移植されたSMは、チームやプロセスが改善されたか、POにレビューしてもらったり、個人的な成長があったか人をレビューするかもしれない。

改善のループ

チームが着手できるバックログアイテムがないってことは、仕事をサボってるのと一緒だよね? POの脳を移植されたSMは、そんなことがないように常にバックログを追加し続ける。 1日で成長なんてのはありえないだろうから、小さいステップにしてバックログに書くんでしょ? で、バックログをリファインメントして、もういらないものを捨てたり、ストーリーを統合したりする。 チームの改善のために、ベロシティの一部を割り当てたりもする。


で、この思考実験から何が言いたかったの?

プロダクトオーナーはバックログをコーチできそうだから、プロダクトマスターなのかな? スクラムマスターはチームに磨きをかけられそうだから、チームオーナーなのかな? ということではなく、チームにいる誰からでも、その振る舞いから学べることがあるよね? T型人材や、T型スキルというのは、単にスキルだけの話ではなくて、振る舞いや、物事の進め方を取り入れていくということ。 自分と関わる全ての人から、良い振る舞いを取り入れてみんなで成長できるといいね。